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 しょうなんでんしゃ のブログ
 1/80くらいの鉄道模型の工作
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フカひれイコライザーの支点移動と安定性
 筆者にとってBrass_solder氏のブログは“二軸貨車の組み立て参考書”である。またフカひれイコライザーを最も多く実装されているモデラーの御一人ではないだろうか。そのBrass_solder氏が「車体がユラユラ揺れる」と述べられて、旧作と比べられたり支点の位置を変えて比較されている。旧作はどれも左右の支点が車体幅に近く位置も車体中心に近いものが多い。またオリジナルの伊藤剛氏の作品も車体中心に近い位置で、車体幅いっぱいに支点が設けられている。

 前後の支点は殆どが台車中心にある。しかし左右の支点は作者によってまちまちのようだ。

 そこでフカひれイコライザーを作ったこともない筆者が誠に僭越ながら、支点の位置を移動させた図を描いてみた。そこから、各支点を結んだ四角形がキレイな菱形であること(=中点にあること)が車体を安定させるために必要なのではないか、という推論に達した。

 手描きで申し訳ない…。

 上段が各中点を支点とした図、中段が左右の支点を内側に寄せた図、下段が左右の支点を前後に移動させた図である。フカひれイコライザーを検討された方には何も述べることは無いと思うが、各菱形または平行四辺形の頂点が支点であり、ほぼ同一平面にあって固定されている。車体は各頂点に刺さる黒いマチ針の上に乗っていると考える事が出来る(当然、仮想するマチ針の長さは同一である)。また×印は一見車体を支えているようで、実は何も仕事をしていない。
フカヒレの支点移動

 特に左右の支点を内側に寄せると菱形の幅が極端に狭くなるので、上に乗る車体も不安定になると予想できる。

 後述することだが、このRailClassicのトム5000は単軸台車はいささか以上に特殊な構造をしている。正直調整も大変でフカひれイコラーザーの組み込みも難しいため、割り切って下回りは作り直した方が良いと感じた。


 ちなみにこの斜眼紙はExcelで作った。「行の高さ=18、列の幅=5」で簡単に作成できる。
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トム5000 RailClassic (3)
 ここで無蓋車に省略されがちな工作を二つほど。


1.アオリ戸受けの補強

 キットのアオリ戸受けは台枠と一体でエッチングされているためヘニャヘニャで腰が無い。先端を丸めて適当にカールを付けておいたが、作業中にぶつけて曲げてしまった。この裏から0.7×0.4真鍮帯板で補強した。
トム5-08
 真鍮帯板は台枠の裏側に付けないと根元で曲がってしまう。まずは真っ直ぐのままハンダ付けしてアオリ戸受けと同じ長さでカットした後、適宜カールさせた。アオリ戸受けを帯板にハンダで固定して隙間をハンダで埋めた。帯板の先端は斜めに削っておけばそれほど目立たない。


2.ロープ掛け用のT字フック

 無蓋車のT字フックは省略されることが多い。このキットには床板周囲にT字フックがあったのだが、欠けている物もあるらしい。筆者のキットは大丈夫だったが開封後すぐに折ってしまった。後から自作パーツを付け直すので全部切り取った。ついでに長すぎる蝶番部分も折り返して立体的にした。
トム5-04

 T字フックの素は手芸用のTピン(ピアス用、太さ0.5 mm)である。0.6 mmでは太かった。このアイデアは偶然ネットで見つけたものだが、今では該当記事を探しても見つからない。ご存知の方がおられたらご一報いただけると有難い。
トム5-05
 真鍮製で極小の釘に似た形状だが、曲げやすいようナマされている。この頭をT字に削る際、写真のように直角に曲げると大体180度で削れる。カマボコ板に喰い込ませることで、ヤスリ掛けが安定するのとヤスリも水平に保てる。ヤスリ目が引っかからないようダイヤモンドヤスリを使うと具合が良い。

 妻板のフックには座がある。これはエッチング製のリベッド付きヘッダーを用いた。ピノチオのジャンク品から剥がしたのだが、パターンが偏っていた。リベッド3つ分の真ん中を削りとって中心にφ0.5の孔をあけ、Tピンから作ったフックを差し込みハンダで固定した。
 トム5-06

 妻板の取り付け位置にφ0.6の孔をあけ、先のユニットを裏からハンダ付けした。フックの歪みは後から直せるので、取付け座の傾きに注意しながら周囲にハンダを流した。(先に座を妻板に付けてから穴をドリルで貫通して、後からフックを通す手順も考えられる。)
 トム5-07


(次は床下の工作)

< 時間を買う >
 妻板用のT字フックはエコーモデル工房ひろからロストワックス製のパーツが発売されている。フックの形や高さも揃っており、何よりハンダ付けの熱でもバラバラにならない。筆者はあり合わせの材料で作ったが、その手間と時間を買うと思えば1個あたり130~150円は妥当ではなかろうか。4個(1輌分)を作るのに1時間かかったら材料費を除いても800~1,000円だ。ちなみに側板裾のフックはTピン加工だけなのでタダ同然なのでお勧めしたい。
トム5000 RailClassic (2)
 トム5000(Rail Classic エッチング抜きキット)のつづき。

トム5-01


 内外の側板を共晶ハンダとミニバーナーで貼り合わせた。それでも観音扉部分はヘニャヘニャだったので、補強も兼ねて四角錐を嵌めるところから始めた。

 “観音トム”で一番厄介なのが観音扉の四角錐だと思う。模型では角がシャープな製品も多いが、実際はそれ程でもないようだ。キットは十字に不完全な切れ目の入った板(写真中央下)を凹ませて作るのだが正直上手く出来い。#5/0の糸鋸で切れ目を大きくしたら四角錐は出来たが隙間が生じてしまった。この程度なら“64ハンダ”で埋められる。形にしてみたら四角錐が側板開口部より大きいのには困った…。周囲を現物合わせで削った。観音扉の左右にある柱(外側のみ)はチャンネル材(エッチングを折り曲げて作る)と内側のリベッド表現を貼り合わせて作る。折り目はミシン目が抜かれているのだが、折り曲げた後も結構目立つ。山折りか谷折りかが不明なのにも困った…。
トム5-02

 さて、キットの写真右上に整然と並んだ小さな帯材は側板の補強材である。見るからに大変そうだ。帯材にはリベッドがあり側板には木目表現がある。普通にハンダゴテで付けるとハンダを流し過ぎてリベッドや木目が埋めてしまうのは目に見えている。もはや筆者的には「困ったときの炭素棒」である。炭素棒ハンダ付けでこのチマチマした作業もキサゲ処理が不要なほどきれいに出来た。数は多いが全く苦にならなかった。
 この作業の動画を撮影してみた。


 筆者は理科実験用のφ4炭素棒を使っている。あまり硬くないのでリベッドがあると削られてすぐにチビてしまう。炭素棒を当てた部分が焼け焦げて見えるが、これは削られた炭素棒とフラックスの汚れである。拭き取るときれいな真鍮地肌となる。


 厚みがあった票挿し類はダルマヤの洋白エッチング製に交換した。今までは上手くハンダ付け出来なかったので、枠だけのパーツが余っていた。これもハンダメッキして炭素棒できれいに付けられた。一番小さな票挿しは年代的に不明だったので省略した。
トム5-03

 通電したまま炭素棒が触れるとアーク放電を起こす。このくらい小さなパーツになると一瞬で熔けてオシャカだ。実際熔かしてしまった…。

「Prove on, Foot on, Foot off, Pause, Prove off」を忘れてはいけない。

(まだつづく)
トム5000 RailClassic (1)
 さて、お勉強ばかりでは頭デッカチになってしまうので、実際に真鍮キットを組みながら炭素棒ハンダ付けの得意・不得意を調べてみた。

 動画でもエッチング抜きキットが組まれていたので、手元にあったRail Classicのトム5000(いわゆる観音トム)を組むことにした。組み始めてこのチョイスが失敗だったことに気付く…。
トム5-01

 手慣らしに軸受け部分(写真の左下)から始めた。折り曲げ部分がポロッと切れそうだったので補強しながらハンダゴテで組んでしまった。エッチングキットとはかくもヤワなものかと驚いた。

 床板も側板も貼り合わせである。つまり積み荷で覆わない限り“荷台も外観”となる。炭素棒ハンダ付けの練習なのに気にせずハンダ付けできない…。手堅くワムあたりを選べば良かったと後悔してみたものの手元にキットが無い。気を取り直してミニトーチを使った炙り付けを多用した。ハンダはもちろん共晶ハンダである。

 台枠側板の貼り合わせ(右上と左端)が炭素棒に丁度良かったので動画を撮影してみた。補強板にはハンダメッキを施したが、ランナーに付けたままの方が良かった。


 炭素棒はφ4(シャーペン型のφ2ではハンダ付けには発熱量が足りず持ち手ばかりが熱くなった)、電圧は5 V、プローブの先がオレンジ色に光っているが真鍮の表面には焼け焦げの跡はない。フラックスは白光のサスゾールF(ステンレス用)を水ペンに入れて使っている。ステンレス用は流れが良いと聞いて昔から使っているのだが、ホームセンターにはこれしか置いてないのでこればかり使っている。時々ステンレス製の持ち手まで付いてしまう事があるくらいで問題なく使えている。フラックスを熱媒体として利用するのであれば飽和塩化亜鉛水溶液だろう。

※ 飽和塩化亜鉛水溶液もあることはあるが、稠度(ちゅうど)があるため水ペンでは使いづらい。今度サスゾールFと比較してみたい。

(つづく)
『Guide to Resistance Soldering』(2)
 YouTube 『Guide to Resistance Soldering』 の紹介(その2)

※ RSU:Resistance Soldering Unitの略である。
※この動画では銅でコーティングされた炭素棒(ガウジング棒)が用いられている。銅コーティングにより持ち手側の抵抗が減るのでRSUの電圧は低めに設定されている。




12:29 この実験は視覚的に熱伝導が理解できるので興味深い。真鍮板にハンダを付けて、2 VにセットしたRSUのプローブ(炭素棒の先端)を当ててフットスイッチを踏み通電すると、同心円状に熱が伝わり素早くハンダが融ける。フットスイッチを切って通電を止めると素早くハンダが固化する。
GuideOfRSU_07.jpg

- この熱伝導をイメージしながら作業するのがRSUを上手に使うコツだと考えている。熱々のハンダゴテで融けたハンダを流し込むとワーク全体が一気に熱くなるのは皆様も経験済みであろう。RSUは素早く加熱できるがその範囲は限局的である。ハンダゴテでは火傷するほど近くを押さえても、RSUでは熱くない。ハンダゴテは熱湯をドバっと掛けるようなものである。筆者もこれと同じ実験をやってみたが、きれいに撮影出来ないのと共晶ハンダは固化しても曇らない。結局、解りづらくて動画をアップロードできなかった。真鍮板の裏からプローブを当てると判りやすかった。 -


13:11 実際の使い方について
GuideOfRSU_08.jpg
・ プローブを当てて、フットスイッチを踏んで(註:ここでハンダが融ける)、フットスイッチを切って、固まるまで待つ、そしてプローブを離す。
・ プローブは温かいのが普通であり熱くならない筈だ。
・ 急がないで、ゆっくり行うこと。(註:Don't rushは何度も出てくる)


13:47 ここからは実際に様々な場面でのハンダ付けの様子である。
GuideOfRSU_09.jpg

- このような置きハンダも多用されるが、ハンダメッキしたパーツを加熱したり、ハンダの薄板を挟み込んで加熱したりと、様々である。エッチング抜きキットの他に融けやすいホワイトメタル製の有蓋車キットをRSUで組んでいる。 -


27:35 表面の細かなディテールを付ける際、マッハの車輌修理台のような台の上でRSUを使うのには驚きだ。大きなアース板の上という先入観が吹き飛んだ。
GuideOfRSU_10.jpg


28:31 このようなハンダ付けで組み立てられた小さな部品も、RSUを使えばバラバラにならない。同じプローブを使い0.5 Vで極短時間の加熱で済ませている。
GuideOfRSU_10-2.jpg

29:16 アースには板材やワニ口クリップの他、工夫次第ではワークの保持もできる様々なアイテムが考えられる。大電流が通電できれば何でも良いという訳だ。二段目にあるループ状の小さなクリップは毛バリ作り用のハックルプライヤー、右のペンチ状の工具はノーズが平行に閉じる平行プライヤーである点に注意したい。
GuideOfRSU_11.jpg


30:00 結論である。
GuideOfRSU_12.jpg
・ Resistance Soldering は、より良い模型作りの助けとなる。
・ Resistance Soldering は、掃除が少なくて済むので時間の節約になる。
・ RSUは従来のハンダ付けに取って代わるものではない。
・ 可能であれば、RSUを片付けずにハンダゴテと一緒に保管するように。

 この3・4行目には納得させられた。ハンダゴテとRSUは互いの不得意を補い合う“相補的”な用いられ方こそ互いの真価が発揮できよう。ハンダ付けの全てをRSUに置き換えられない。また、工具はすぐに使える状態が望ましいことは筆者も常々感じているところだ。


 最後はやはり、Experiment(実験)、Persevere(頑張る)、Practice(練習)とのことだ。何事も上達に近道はないらしい。

 何より 「Don't rush(急ぐな)」 である。(笑)


 英語力の拙い筆者は全面的にWEBの翻訳機能に頼った。イギリス英語のナレーションが速く、聴き取れない部分の方が多かった。本動画の真意を伝えきれなかったのはご容赦願いたい。
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