fc2ブログ
しょうなんでんしゃ のブログ
 1/80くらいの鉄道模型の工作
202305<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>202307
模型社 900 (35) クロスヘッド
クロスヘッドとスライドバーの造作に悩んでいたが、そろそろ走らないとマズイ。まずは「苦労すヘッド」から作った。

 イチから洋白板で作ればいいものを、横着してキットのエッチング板(t 0.4)を使ってしまった。裏に帯板を貼ってからコの字に曲げた。ピストンロッドはφ0.8洋白線を使った。そのまま付けたのでは強度が心配だったので、t 0.8真鍮小片に銀ロウ付けして、クロスヘッドに挟んでハンダ付けした。エッチングにはコッタ表現?があったので帯板でコッタらしきものを付けておいた。
模型社900-55-3

 さて、筆者は銀ロウ付けについて超初心者で、銀ロウ付けを使いこなされている先達には遠く及ばない。差しロウや置きロウなどまだまだであり、比較的初心者向けの「ねり銀ロウ」がいい所だ。コモキンの「ねり銀ロウ(早ろう、ロウ付け温度は620℃)」を使い、バーナーはプリンスのGB-2001ハニカム構造のセラミックボード、後処理の酸洗いはピックリング液(希硫酸)を用いた。
ねり銀ロウ(早ロウ)

 不慣れな銀ロウ付けであるが、ロウ材がキラッと光ってサーッと拡がるのは、ハンダ付けもそうだが何度見てもドラマティックで感動的だ。


 メインロッドの切り出しについては割愛、まぁそれなりに・・・。ロッドピンにはφ0.5真鍮線を仮に挿している状態。スライドバーが無いので垂れ下がっている。(ピストンロッドが曲がって見えるのは光の加減)
模型社900-55-4

 16.5ミリを13ミリ化(-3.5 mm)しているが、シリンダー間隔は-3 mmに留めた。それでも第1動輪のロッドピンが当たる。結局ピンの頭をかなり沈める羽目となった。コの字のクロスヘッドも裏側は無い方が良いのかも…。
模型社900-55-5
スポンサーサイト



模型社 900 (34) 煙室扉
ずっと顔無し状態だったが、やっと正面の煙室扉が出来た。

 キットは原形のクリート方式だが、その後カンヌキ方式に変わっているため、煙室扉とその周囲のクリート表現を削り落とした。煙室扉を湾曲させ、帯材と線材で作ったヒンジを付けた。煙室扉周囲にはクリートの跡が少し残っているが、まあ気にならない程度だと思う。
模型社900-70-1

 中心の円形ナンバープレート?は径がφ4と小ぶりだった。新たにφ4.5くらいの円形ナンバープレ-トを付けたいので、頭をt 0.5まで薄く旋削してから中心に付けた。
 模型社900-70-4

 リン青銅板の持ち合わせが無かったので、コの字に曲げた固定用の真鍮板(t 0.3)を裏側に付けた。
 模型社900-70-2

 ハンドレールが正面まで回り込んでいる。このハンドレールノブを真っ直ぐつけるのに時間を取られた。ハンドレールノブはキット付属の頭を削って小さくした。煙室側面のハンドレールノブはこれから付ける。
模型社900-70-3

 顔がつくと途端に機関車らしくなった。

 連結器はKadee#58(シャロン式タイプに改造)、古典期ゆえかスケールヘッドでも非常に大きく見えてしまう。IMONカプラーでは連結器座に入らない。連結器座については後日述べたい。


<おまけ>
Microsoft Wordでの原図作成
 煙室扉に付くプレートは日本鉄道時代の「SCHENECTADY LOCOMOTIVE WORKS + 製造年」が原形のようだ。その後、数字と(「形式」は消滅して)小文字の900だけになったり、通常型の煙室扉ハンドルに四角いナンバープレートまで付けられている車もいた。数字と形式だけなら文字は水平なので原図を作り易いが、円周に文字が並ぶのは作りづらい。ゆうえん氏も苦労されているようだ。
 今回、使い慣れているMicrosoft Word 2010を用いて、円周上に文字がある米国型プレートの原図を作ってみた。おためしなので大きさはテキトーであり、原形(右)は中心に数字が無い。A4用紙に印刷したら直径が100 mmもあった。実際にF式エッチングで作る時は原稿を鏡像印刷してからコピー機で縮小して用いなければならない。

丸プレート2種類

 とりあえず「Wordでも円周上の文字を作れます」という御報告。

 何が一番苦労したかは、似たフォントを探すところだったりする…。
ゴーゴーはんだ
ゴーゴー(50/50)ハンダでキャブ下のステップを組んだ。

 筆者は共晶ハンダ(スズ63%-鉛37%、融点=183℃)と64ハンダ(スズ60%-鉛40%、融点=190℃)をよく使うのは御存じのことと思う。もう少し融点の高いハンダを使いたい場合、板金用のゴーゴーハンダ(スズ55%-鉛50%、融点=215℃)を使うことがある。鉛フリーハンダや銀ハンダも融点は高いものの、やや流れが悪い。
 カツミのように高価なゴーゴーの太い棒ハンダをジャブジャブ使うほどの頻度も無い。白光のテープ状ハンダはヤニ入りながら少量安価であり、これを小さく切って使っている。

 折り曲げて整形したステップを55ハンダで予備ハンダを施し、バーナーで炙って付けた。ヤニ入りハンダで置きハンダを行うとヤニが残ると言われている。問題はないようだが、念のため筆者は真鍮小片上に溶かしてからハンダゴテにすくって付けている。
ゴーゴーはんだ
模型社 900 (33) サンドボックスの砂撒き管
またまたサンドボックスの話題で恐縮である。

 八雲工芸製の900型(1/87、12ミリ)には4本の砂撒き管がタコ足のように付いている。初めてこれを見た時、強い違和感があった。そもそもネット上で実物写真を探しても、見上げるアングルが多くてイマイチ判らい箇所だったからだ。有難い事にいくつかの写真をよ~く見ると、前側に砂撒き管らしきものがあることが判った。輸入タンク機関車でも前進用の砂撒き管しかない場合が多い中、第二動輪後方にも砂撒き管が有るのは後進(バック運転)を目的としてのことだろう。有るのなら仕方ない・・・筆者も八雲工芸を真似てタコ足状に砂撒き管を付けることにした。

 サンドボックスの裾にφ0.5の穴を斜めにあけ、φ0.4の真鍮線を挿し込んで共晶ハンダで付けた。融点が低く融けた瞬間が解るので、板金用のハンダで整形した裾を融かすことはなかった。
模型社900-69-8

 問題はここからである。

 空制化後をイメージしているとはいえ、いわゆる空気式の砂撒き管元栓では可愛気が無い。“オリジナルを残した”という設定にしたいが、砂撒き装置の前後切り替え方法が判らない。
 B20川崎製鉄の機関車に見られる手動式の元栓であればエコーモデルの元栓が該当するのだが、それすら見当たらない。だいいち、前進用と後進用の砂撒き管が離れすぎている。
 明治の輸入蒸機には作用レバーが水平に付いているものも多い。スリット式とでも言おうか、砂撒き管根元付近にある水平なスリットに作用レバーが入っている。確かに米国型の輸入蒸機にはこのスリット式が多く見られる。しかし、前進用と後進用の砂撒き管がある場合、大抵は元栓が並んでいるかサンドボックスが別々である。900型のように前後の砂撒き管が離れていても作用レバーが入る水平なスリットはあるのだろうか?

 ・・・あった。

 前後の砂撒き管の中央付近に糸鋸でスリットを付け、洋白帯板をハンダ付けした。ついでにリベット付シルヘッダーとφ0.25燐青銅線から作った吊りフックも付けてみた。
模型社900-69-9

 ボイラーに置いてみるとこんな感じになった。ボイラーと水タンクに隙間が無いため、砂撒き管は飾り程度である。長いままのレバーはそのうち切る。
模型社900-69-10

 一日がかりの工作だったが、古典機を知らない筆者にはとても勉強になった。
模型社 900 (32) シリンダーブロック完成
シリンダーブロック(煙室サドル+弁室(※蒸気室)+シリンダー)ができた。

 スケネクタディーを始めとする米国型は煙室サドル中央のリベット(ボルト?)が目立つので無視できない。リベット(ボルト?)を打ったt 0.2×0.8洋白帯板を刺股(サスマタ、消防署の地図記号)状に一体で曲げてハンダ付けした。後ろ側は目立たないので省略…。
模型社900-67-7

 これの左右に蒸気室を付けるのだが、積層で作ったためハンダが外れやすい。おまけに厚みがある。ズレないよう給油管に見立てた真鍮パイブを貫通させたが、まぁ気休め程度だろう。

 普通のプライヤーでは均等に掴めないので、このようなものを使ってみた。

① 100均のステンレスピンチ:ワークを内側で保持できるため、位置決め・仮止めが容易だ。熱容量がある物も挟んだまま水にジュッと突っ込める。
模型社900-67-10-1

② 目玉クリップとプライヤー:目玉クリップの端っこを使おうとすると均等に保持できない。目玉クリップの上からさらにプライヤーでワークの中央をギュッと掴めばほぼ均等に掴める。もちろんこのまま水にジュッと突っ込む。
模型社900-67-10-2

 上記の「煙室サドル+弁室」ユニットをシリンダーカバーに付ける。ネジ穴は若干ガタを持たせてあるため仮組み状態で位置決めして数ヶ所仮止めしてから本格的にハンダを流した。

 最後にシリンダーと弁室下部の隙間を三角断面の真鍮小片で埋めれば出来上がり。
模型社900-67-11

 弁室前部の空気弁とシリンダー前部のファーネス式給油器は後で付けよう。

 市販のロスト製シリンダーブロックの有難みが身に染みた。

※ 「弁室(valve chest)」は昔から「蒸氣室」と呼ばれることが多い。
○ 蒸気機関車メカニズム図鑑 p.120:蒸気室
○ 機関車の構造及理論:蒸気室または弁室
○ Wikipedia:弁室 (valve chest)
copyright © 2023 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
まとめ