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 しょうなんでんしゃ のブログ
 1/80くらいの鉄道模型の工作
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設計者・作図者・製作者、そしてユーザー
 模型用の部品図面を拝見した。実際の製作は外注のため細かな指示が記入されていた。驚いたのはその枚数よりも、設計者と作図者が異なることだ。作図者は設計者の意図を汲み、外注先が設計者の意図を正しく理解できるよう、細心の注意を払っていると思った。

 真鍮板や紙1枚から製作するいわゆるスクラッチビルダーは、設計も作図も製作も自分、もちろん作った模型で遊ぶのも自分である。ミスがあれば修正しながら作れるし、試運転での不良箇所も自分だから解る。何より設計という条件設定を自分で行う。何輌牽かせたいとか、どのくらいのRを通過させたいなどだ。つまり設計とは「こうしたい、こう作動してほしい」という目標であり、設計者の希望・願望である。それを作図者が理解していないと予想通り作動しない。外注ならなおさら齟齬無く設計者の意図を理解させる必要がある。ユーザーが部品一つ買うのは「設計者の意図を購入する」とも言えよう。

 今回、カツミのACEカプラーⅡを使ってみた。初代品では無理だった下からのネジ止めは達成されたものの、部品点数を減らすあまり動きが渋くなってしまっていた。ACE-Ⅱを買った人は「何でこんなに固いんだ!」と思ったことだろう。真鍮車輌ならまだしもペーパー車体のような軽い車輌の首振り不良は脱線の原因にもなる。
カプラー07

 設計者が手抜きをした訳ではない。設計は目標達成のために最大限の知恵を絞ったのだ。それを作図と製作が汲み取れなかったから、このような残念な商品がユーザーの手元に届いてしまったのだ。そのうちユーザー間の口コミで「使えない!」というレッテルを貼られ、それがメーカーにフィードバックされて、いつの間にか廃版にされてしまう恐れがある。

 初代とⅡを比較してみる。ひと回り小型化された点はとても助かる。
カプラー08

 問題は復元機構にある。初代品(写真左)は薄い金属製の復元バネで楽にセンタリングされる。いっぽうⅡ(写真右)ではカプラー本体のお尻が二股に分かれて左右の壁面を押すことでセンタリングされる。最近のKadeeもどきに多い復元方法だ。
 この工夫を作図と製作が台無しにしたのだ。ドラフトギヤボックス(Draft Gear Box、いわゆるカプラーポケット)を、 開けてびっくり玉手箱!成型時の押し出しピン跡が内側にあるではないか!実際、左右に分かれた復元足がピン跡に引っ掛かっていた。こんな場所、買ってポン付けしてカーブで脱線してもユーザーには判らない。(その点、IMONのISbカプラーのピン跡が外側にあったのは流石だと思った)
カプラー09

 また初代では金属製の復元バネで静かだったが、オール樹脂製になってキューキュー鳴ることは前回も書いた。最も圧力が掛かる左右の復元足に、成型時のパーティングラインが見つかった。ここは大事な摺動面である。ここが滑らかでないと動かなくなる。
カプラー10

 解決策としてピン跡やパーティングラインを削るのだが、ヤスリを使うと動かす方向によっては摩擦が増えてしまう。部品の摺動方向に沿ってカッターを鉋(かんな)のようにしてシュッシュッと削り落とした。また復元足の先端が上部のピン跡に当たり引っ掛かっていたので、僅かに斜めに削っておいた。
カプラー11

 上下左右の摺動面に二硫化モリブデングリスを少量塗布して再組立てすると、ウソのように静かになり、キチンとセンタリングされた。角度が増すと重くなるのは、復元足が太いバネ状なので仕方がない。ここは強度が必要な部分なのであえていじらなかった。ピンと案内溝にもグリスを付けておくと推進時にもスムーズに動く。

 良く考えられていると思った。設計者が初代品と同じ動きを求めたのは当然であろう。しかし作図と製作がそれを台無しにしてしまった悪い例だと思う。素材は感触からするとPOM(ポリオキシメチレン:PolyOxyMethylene、ポリアセタール:Polyacetalとも)であろう。自己潤滑性に優れる素材だ。それがキューキュー鳴ったのだから筆者は驚いた。

 筆者は特段の改造を施した訳ではない。作図と製作の不備を取り除くことで設計者の目標を達成したまでである。

 我々末端のユーザーは、特にポン付けのパーツやギヤ装置などのブラックボックスは「キチンと作動するものだ」という先入観で購入する。それが期待通りの性能を発揮しなかったら「そういうものなのだ」と判断するか、もしくは使うのを諦めてしまう。実に勿体ない。

 まあ、中にはこのような不良品もあったのだが…。(これは復元足が傾いており、どんなに頑張ってもスムーズにはならなかった)
カプラー12

 市販されている商品でも設計者の意図が正しく反映されているとは限らない、というお話。

 ちなみに、カツミ・エンドウのドローバーはスプリングが固すぎて回転しにくい。このスプリングを2/3程度にカットすると、Kadeeカプラー並みに首振りが軽くなる。(そう考えるとKadeeは素晴らしい)

 そういえば、IMONのISbカプラーも牽引時は極めてスムーズだが押し合いになるとまったく動かなかった。これも若干の手直しとグリスアップで動くようになった。Oサイズでもそのような不具合が起こるというコメントを頂いた。特に伸縮カプラーは各社バラバラで、まだまだ手探りな状態だと思われる。
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ワンタッチセンターピン
 LM562様より、スパイクモデルの「ワンタッチセンターピン」のコメントを頂いた。


 モデルズIMONの在庫表(※)にもあるので興味を持たれた方もいると思う。「組みネジ」の応用と考えられる。センターピンの径でエンドウカツミ用(Φ3)と日光用(Φ2.4)があり、ボス(ボルスタスペーサー)の厚さで車輪径10.5用(t3)と11.5用(t2.5)がある。筆者も日光用を2種類ほど買ってあった。(商品は1輌分=2組入り)
ワンタッチセンタピン01

 床下側のボス(樹脂製のボルスタスペーサー、M4雌ネジ)と、室内側の止めビス(M4雄ネジ - M2雌ネジ)・ラグ・ファイバーワッシャで、床下を挟んでボス(ボルスタスペーサー)を床に固定できる。止めビスの中心にはM2雌ネジが切ってあるので、センターピンをネジ止めできる。床板とセンターピンは絶縁されている。
ワンタッチセンタピン03

 ボルスタ一式を床板に取り付けたままで台車を下から止められる優れものなのだが、いくつかの点で今回の採用は見送った。
・スペーサーの厚みが通常の「床板下面=14mm」(今回のOER2600は13mm)
・床板に昔ながらのΦ6の大孔をあけなくてはならない。
・センターピンが相変わらずのマイナスネジ(筆者的にはマイナスネジを追放したい)
・室内側の止めビスやラグが意外と大きい。荷物車やクロスシート車ならさほど目立たないであろう。
ワンタッチセンタピン02
 
 このようなアイデア商品もある。

 台車のメンテナンスでいちいち床板を外すのにイライラしてお困りの方は、採用を検討してみてはいかがだろうか?自作となると大変である。

※スパイクモデルの品番「L2001~L2005」が該当する。エンドウカツミ用のL2001だけ商品名から“ワンタッチ”が抜けているので注意。
IMON 密連カプラ HO-265
遅ればせながら、IMONの密連カプラー(2mmネジ用、HO-265)を買って組んでみた。

IMON 265 密連カプラー

自連同様に秀逸な造形、連結-解放、センタリング、伸縮機能を持ち、カプラーポケットもコンパクトだ。


さて、てっきりダイカスト製だとばかり勘違いしていた自分だが、
樹脂製の場合、耐久性はどのくらいなのだろうか?

連結-解放を繰り返した時の劣化や、コチラのような試験結果があればとても嬉しい。


・・・自分でヤレって?
標準的なMPギヤと床板の関係
φ11.5車輪が使えなかった説明の前に、標準的な MPギヤと床板との関係について。

まず電車用のMPギヤをノギスで測ってみた。
MPギヤ

MPボルスターや最近のカツミ製台車のボルスターが1mm高いのは、φ2のシャフトと干渉するからである。
ボルスターを1mm高くしたことでシャフトとの間に約0.9mmのクリアランスがとれている。
つまりシャフトが太いMPギヤには、従来のボルスターやIMONのボルスターなど高さ=6mmのものは使えない。
MPボルスター


これにMPボルスターやスペーサーを加味すると、レール面から床板下面までが約14mmとなる。
 φ11.5車輪の場合…5.75(台車枠取付ネジ)+7(MPボルスター高さ)+1.3(MPスペーサー)=14.05
 φ10.5車輪の場合…5.25(台車枠取付ネジ)+7(MPボルスター高さ)+1.8(MPスペーサー)=14.05
床高さ標準
 従来のボルスター(6mm)+枕梁(3mm)でも約14mmである。(φ10.5車輪の付随車の場合)
蛇足だが、木製床板(t=3)を車体裾(レール面から12mm)と面一で使うと、MPギヤ上面が当たってしまうので床板を削らなければならない。

この“床板下面までの高さ=14mm”は、以前に記したIMONのボルスターセット(MP方式)と同じである。
IMONギヤの寸法はモデルズIMONのHP内に公開されている。(画像はIMONのHPより拝借)
imon_gia2.jpg
MPギヤに比べて割高だが、コンパクトに収めたいときにはとても有効である。

(つづく)
ワイパーの取り換え
ワイパー01

ワイパー02

上は各社のエッチング製ワイパーの比較。

先日の新年運転会では、未完成ながら試運転までこぎつけた。
その時にはマッハのエッチング製でお茶を濁していたが、正面窓に対して明らかに小さかった。
 使ったのは写真の真ん中の物、4.5×5.5(ブレード=4.5mm、アーム=5.5mm)

その他に、フジモデルとエコーモデルのワイパーも用意していたが、どれもほとんど同じ寸法だった。
それより大きな物のだと、マッハの7.0×8.5、フジモデルの7.0×8.0、これでは大きすぎる。

もう少しだけブレードの長い物を使いたくてエンドウ製を買い求めたところ、寸法はバッチリ(5.0×6.0)、やっと交換できた。

ただ、エンドウ製とエコー製はとても繊細なので、ラジオペンチを使うとすぐにアーム部分が曲がってしまう。
そこで、毛抜きを使って折り曲げてみた。

ワイパー03

こんな感じになった。

OE80蘭-19


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