FC2ブログ
 しょうなんでんしゃ のブログ
 1/80くらいの鉄道模型の工作
201907<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201909
3条ウォームギヤ(3)
3条ウォームの開発談には色々な必須条件が公開されている。
http://dda40x.blog.jp/archives/50371584.html

コアレスモーターを使うのはもちろんのこと、ウォームの形状や進み角、ウォームとホイールの材質、ギヤ比の選定、ベアリングの使い方、二硫化モリブデングリースを使うこと、などなど。

実際にサンプルを拝見して自分なりに一番勉強になった点は「ベアリングの使い方」であった。

「Free rolling drive」(2006年11月17日)または「Free to Roll Mechanism」(2016年02月25日)と名づけられた3条ウォームギヤシステムは、入力軸(モーター軸)からウォーム、ウォームホイール、出力軸(車軸)に至るまで、触れているのはベアリングのインナーレース(内輪)だけである。そして内輪はギヤボックスのどこにも接触していない。つまり入力軸に与えられたエネルギーは、損失なくウォームの伝達に使われるのだ。

HOサイズのギヤボックスでは入力軸が球状メタルで保持され、ワッシャーを介してウォームがある。おまけに前後にガタがあるので前進時と後進時の走り具合に差が出ることもある。さらにウォームホイールに付けられた車軸はダイカスト製のギヤボックスで直接支えられている物が多い。

ボールベアリングを使えばエネルギー損失が極めて少なく動かせる訳だが、使い方を誤ると何の意味もなくなる。このサンプルでは、ウォームもホイールも内輪以外に触れないよう、その端には段がつけられており、ギヤボックス側も内輪に触れないよう、その部分が僅かに彫り込まれている。
08-3条ウォーム (4)

ウォームは構造上スラスト方向(軸方向)に力が掛かる。氏のブログでも以前アップされていた3条ウォームにはスラスト・ベアリングが付けられていた。(2006年11月14日)

今回の物にはそれが無い。

「精度高く作れば、要らない・・・押されたときに拡がらないように、外側を支える部分を正確に作ってあれば良い」と述べられている。(2017年12月21日)

確かに入力側のベアリングはギヤボックスに直接組み付けられていない。その代りカップ状のハウジングにガタが無く収まっている。もちろん内輪はハウジングに接触していない。その隙間には油が満たされている。油膜で保持されているのだ。HOサイズに多い左右分割式の鋳造ギヤボックスは、軸受けを直に保持出来るほど精度が高くない。球状メタルですらキチンと嵌らず回転が渋いこともある。
08-3条ウォーム (3)

スムーズな逆駆動(=高効率)はここまでしないと得られない。
言い換えれば、これらを遵守すれば自ずと逆駆動(=高効率)となる。

残念なことに自分でウォームとウォームホイール、ギヤボックスを設計して「Free rolling drive」を得るには、時間も資金もアタマも足りない。

それ以前に、HOサイズでそれを実現したところで、キーキー鳴るような客貨車を牽いていたのでは何の意味もない。Low-d車輪に匹敵する低抵抗車輪が必要となる。筆者はピボット車輪の転がり改善にも関心がある。そこは市販の車輪を再整備すれば何とかなるであろう…という考えに、今は甘んじている。

3条ウォームの牽引機とLow-D車輪のトレーラーが揃った時こそ、その真価を最大限に発揮すると言えよう。C62単機牽引のつばめフル編成やEF58の20系フル編成、長大な石炭列車も夢ではない。

もちろん輪軸のイコライジングや連結器の柔軟な首振り、客貨車重量の均一化、線路の整備なども忘れてはならない。


これ以上、自分の人生の課題を増やしていては、結局どれも中途半端になりかねない。

3条ウォームをなめ回すように観察して、そのままそっとお返しした。

色々と刺激的な夏休みであった。

(おわり)
スポンサーサイト



copyright © 2019 Powered By FC2ブログ allrights reserved.