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しょうなんでんしゃ のブログ
 1/80くらいの鉄道模型の工作
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まずは直線における比較
 前回、「ピボットの先端だけでは直線の走行抵抗しか比較できない。しかしこれが第一の基本となる」と述べた。

 そこで曲線での走行抵抗を論じる前に、カツミ・エンドウ・日光モデルの各社製品を使い、直線区間でどのくらい差が出るのかを比較してみた。

 用いた線路はKATOのユニトラック(2-181、PC線路 369 mm×2本)、1本目(右側)を3‰(=0.3%、333mmで1mm)持ち上げ、2本目(水平)の滑走距離を比較した。事前に何回か滑走させて再現性が得られることを確認し、各社の到達点を予め机上に書き込んでからビデオ撮影を行った。

 run1とrun2は昔から父親が言っていた「日光の台車はよく転がる」を検証したもの。カツミと日光モデルの旧製品で比較した。

run1. 台車=カツミ(TR69、軸受メタル入り)、車輪=カツミ(旧製品)
 結果・・・動かない。
run2. 台車=日光(TR69旧製品、軸受メタル無し)、車輪=日光(現行品)
 結果・・・15 cm



 run3以降は台車をエンドウ製(軸受メタル入り)に統一して、車輪の違いを比較したもの。

run3. 台車=エンドウ(TR69、軸受メタル入り)、車輪=カツミ(旧製品)
 結果・・・動かない。
run4. 台車=エンドウ(TR69、軸受メタル入り)、車輪=エンドウ(現行品)
 結果・・・5 cm (勾配で加速度が付いていない)



run5. 台車=エンドウ(TR69、軸受メタル入り)、車輪=エンドウ(新スポーク)
 結果・・・27 cm
run2. 台車=エンドウ(TR69、軸受メタル入り、枕梁を日光用に交換)、車輪=日光(現行品)
 結果・・・34 cm



 以上をまとめると、このような結果となった。
直線勾配で比較した結果

<結論と考察>
1)ピボット台車の軸受メタルは走行抵抗の軽減に寄与している。
2)ピボット先端の角度や尖り具合は転がりの向上に大きく寄与している。
3)直線区間においても車輪がふらつく(片方のレールに寄ったり、軌道に対して角度が生じた)場合、フランジ形状(特にフィレット)が抵抗を軽減しているのではないかと思われる。


 おまけとして、コメントで頂いたKATO製のPOM軸受け(ワム90000、無加工)の転がりも検証してみた。
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コメント
コメント
曲線での走行抵抗について何らかの結論が出るのを楽しみにしています。

私も、1990年代後半から台車の負荷のデータを取ったり、車輪の踏面形状を変えてみたりしているのですが、明確な結論を出せずにいます。
2020/11/15(日) 18:07:11 | URL | 森井義博 #- [ 編集 ]
森井さま、コメントありがとうございます。

ベテランモデラーの方々には「そんなこと当たり前じゃないか」と思われる他愛の無い内容です。16番で疎かになりがちな足回りの改善に少しでも役立てられればと考えております。基礎研究好きな性格が災いして車輌製作が進みません・・・。

しかし、モアの軸受メタルが引き継がれていないのはとても残念ですね。
2020/11/15(日) 18:36:02 | URL | むすこたかなし #- [ 編集 ]
それぞれの台車+車輪 (+車体)の質量の影響はどうなのでしょうか?
2020/11/15(日) 22:03:06 | URL | sktrokaru #SFo5/nok [ 編集 ]
sktrokaruさま、コメントありがとうございます。

台車と車輪だけなので質量にそれほど差も無く、ピボット軸と軸受け、及び車輪のコンタ(フランジ形状)の差によるものだと考えています。
仰るように「+車体」となれば、質量の影響が出てくるものと思われます。POM製の軸受けにも興味はありますが、ペーパーやプラスチック車体ならまだしも、重たい金属車輌には金属製の軸受けが耐久性の面からも望ましいと、予想しています。
車輌のサイズ毎に“適正質量(軸重)”があると考えています。20m車でしたらKATOの客車を参考に、150~200g辺りに揃えるよう心掛けています。もっと軽い貨車ならばPOM製軸受けも検討できそうですね。

2020/11/15(日) 22:37:21 | URL | むすこたかなし #q0.nGw1M [ 編集 ]
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