過去の記事の中で、行路差の“解消”という表現を“低減”に訂正した。これは『操舵台車』の記事でリンクさせていただいた実験が、「内外のホイール径の差で曲線を曲がるのではない」という趣旨だったからだ。これを筆者は「行路差で曲がる」と勘違いしてしまった。お詫び申し上げる。
しかしまた、曲線の滑走実験や観察からフィレット(R=0.4)にレールが乗っているのは事実である(※ 前方の外側車輪だけであり、後方車輪は踏面中央付近にレールが位置している)。前後の車軸に角度差が観察されたことからも、レールがフィレットに乗ることで見かけのホイール径も増大している。今まではフィレットに乗ったことで安心してしまい、内外の行路差を埋めるだけのホイール径の変化が得られたかどうか調べていなかった。行路差が解消されることを証明するための実験は残念ながら思いつかない。そこで計算上ではあるがレール半径、ホイール径、フィレットとレールの接点などを調べてみた。
まずは曲線における内外レールの行路差と、それに必要なφ10.5車輪のホイール径を計算した。
やや急曲線ではあるが、実験に用いたR=610の場合の計算結果。

内外レールの比率は外:内=1.027:1、これはホイール円周の比率であるため、車輪の内側ホイールをφ10.5で固定すると外側ホイールは直径で+0.288(半径で+0.144)の差となった。
同様に大きな曲線半径として、ザックリとR=800の場合の計算結果。

内外レールの比率は外:内=1.021:1、内側ホイールをφ10.5で固定すると外側ホイールは直径で+0.22(半径で+0.11)の差となった。
これらホイール径の差(+0.11~+0.144)をフィレット上で再現可能ならば、大きなフィレットRが行路差の低減に有効であることが示唆されうると言えよう。
※ アタック角については全く考慮していない。
(つづく)
しかしまた、曲線の滑走実験や観察からフィレット(R=0.4)にレールが乗っているのは事実である(※ 前方の外側車輪だけであり、後方車輪は踏面中央付近にレールが位置している)。前後の車軸に角度差が観察されたことからも、レールがフィレットに乗ることで見かけのホイール径も増大している。今まではフィレットに乗ったことで安心してしまい、内外の行路差を埋めるだけのホイール径の変化が得られたかどうか調べていなかった。行路差が解消されることを証明するための実験は残念ながら思いつかない。そこで計算上ではあるがレール半径、ホイール径、フィレットとレールの接点などを調べてみた。
まずは曲線における内外レールの行路差と、それに必要なφ10.5車輪のホイール径を計算した。
やや急曲線ではあるが、実験に用いたR=610の場合の計算結果。

内外レールの比率は外:内=1.027:1、これはホイール円周の比率であるため、車輪の内側ホイールをφ10.5で固定すると外側ホイールは直径で+0.288(半径で+0.144)の差となった。
同様に大きな曲線半径として、ザックリとR=800の場合の計算結果。

内外レールの比率は外:内=1.021:1、内側ホイールをφ10.5で固定すると外側ホイールは直径で+0.22(半径で+0.11)の差となった。
これらホイール径の差(+0.11~+0.144)をフィレット上で再現可能ならば、大きなフィレットRが行路差の低減に有効であることが示唆されうると言えよう。
※ アタック角については全く考慮していない。
(つづく)
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