スライダックに替わる低電圧化とは、海外旅行用のダウントランスを用いた方法である。
スイッチング電源が主流の現代、海外旅行に重いトランスを持参する必要もなくなりつつあるが、ホームセンターの海外旅行用コーナーには変換プラグとともにダウントランスが今でも売られている。国によってプラグ形状と電圧が異なるためダウントランスにも種類がある。今回は入力端子が日本と同じAタイプ、電圧が110~130 V→100 Vのトランスを用いて炭素棒ハンダ付け装置の出力を“少しだけ”落としてみた。
※ 目的外使用なのでメーカー保証は無い。
ちょっと中身を確認したところ、普通のトランスとLEDパイロットランプの他に保護部品らしいものがトランスにテープ止めされれていた。サーマルプロテクター(自動復帰)と温度過昇防止装置が付けられているとのことだ。マイコン制御ではない“ローテク”で安心した。これの1次側(110~130 V)に100 Vを印加して最終的な炭素棒の電圧を下げようという魂胆だ。

まずはクランプメーターを用いて家庭用電源(交流100 V)と降圧後の電圧を測定した。
「103 V」が表示された。これは電力会社の電圧降下対策であり機器の異常ではない。

ダウントランスを接続して出力電圧を測定した。100÷120=0.83(83%)を期待したが、実際の測定値は87 Vであった。87÷103=0.844(約85%)に降圧したこととなる。

次に炭素棒ハンダ付け装置を通した時に電圧がどのくらい下がるのかを調べた。
スライダックで炭素棒-アース板間の無負荷電圧が5.0 Vになるよう調整した。

続いてスライダックの上流にダウントランスを挿入して無負荷電圧を測定した。その結果、5.0 Vを約4.3 Vまで下げられた。4.26÷5.0=0.852(約85%)はダウントランスと同じ比率であった。

最後に、過剰な電圧・電流がダウントランスに掛かってないかを調べるため、下図のようにダウントランス有り(イ)・無し(ロ)で回路各所の電圧と電流を測定した。

測定結果は以下のようであり、330 Wを十分満たしていた。無負荷電圧を6.0 Vに設定した時でも、ダウントランスの2次側③には0.6 Aしか流れていない。それならば、さらに小型の105 Wや110 Wでも良いと思われるが心配性の筆者は330 Wのままで用いることにした。

筆者の2段階接続は約6 Vなので長時間通電すると電極側が過熱する。逆に小物などは一瞬でハンダ付けが終わる。dda40x氏が頒布された炭素棒ハンダ付け装置キットは3段階に電圧調整できる仕様であり、最低電圧が5 Vと聞いている。ワークの熱容量にもよるがHOサイズ以下にはやや電圧が高めのようだ。あいにく筆者は同装置キットを持ち合わせておらず1次側の電流値も不明だが、普通に使う分には1 Aも流れないと予想している。
お手元の炭素棒ハンダ付け装置が「いささか強いなぁ」と感じている方は、ダウントランスを試されてはどうだろうか。110 Wで不安ならば330 Wを使えば良い。5.0 Vを4.3 Vに下げるだけでもかなり違う。
2段階接続で苦労した筆者にとって同装置キットを使わないなんて、まさに宝の持ち腐れのように感じる。
スイッチング電源が主流の現代、海外旅行に重いトランスを持参する必要もなくなりつつあるが、ホームセンターの海外旅行用コーナーには変換プラグとともにダウントランスが今でも売られている。国によってプラグ形状と電圧が異なるためダウントランスにも種類がある。今回は入力端子が日本と同じAタイプ、電圧が110~130 V→100 Vのトランスを用いて炭素棒ハンダ付け装置の出力を“少しだけ”落としてみた。
※ 目的外使用なのでメーカー保証は無い。
ちょっと中身を確認したところ、普通のトランスとLEDパイロットランプの他に保護部品らしいものがトランスにテープ止めされれていた。サーマルプロテクター(自動復帰)と温度過昇防止装置が付けられているとのことだ。マイコン制御ではない“ローテク”で安心した。これの1次側(110~130 V)に100 Vを印加して最終的な炭素棒の電圧を下げようという魂胆だ。

まずはクランプメーターを用いて家庭用電源(交流100 V)と降圧後の電圧を測定した。
「103 V」が表示された。これは電力会社の電圧降下対策であり機器の異常ではない。

ダウントランスを接続して出力電圧を測定した。100÷120=0.83(83%)を期待したが、実際の測定値は87 Vであった。87÷103=0.844(約85%)に降圧したこととなる。

次に炭素棒ハンダ付け装置を通した時に電圧がどのくらい下がるのかを調べた。
スライダックで炭素棒-アース板間の無負荷電圧が5.0 Vになるよう調整した。

続いてスライダックの上流にダウントランスを挿入して無負荷電圧を測定した。その結果、5.0 Vを約4.3 Vまで下げられた。4.26÷5.0=0.852(約85%)はダウントランスと同じ比率であった。

最後に、過剰な電圧・電流がダウントランスに掛かってないかを調べるため、下図のようにダウントランス有り(イ)・無し(ロ)で回路各所の電圧と電流を測定した。

測定結果は以下のようであり、330 Wを十分満たしていた。無負荷電圧を6.0 Vに設定した時でも、ダウントランスの2次側③には0.6 Aしか流れていない。それならば、さらに小型の105 Wや110 Wでも良いと思われるが心配性の筆者は330 Wのままで用いることにした。

筆者の2段階接続は約6 Vなので長時間通電すると電極側が過熱する。逆に小物などは一瞬でハンダ付けが終わる。dda40x氏が頒布された炭素棒ハンダ付け装置キットは3段階に電圧調整できる仕様であり、最低電圧が5 Vと聞いている。ワークの熱容量にもよるがHOサイズ以下にはやや電圧が高めのようだ。あいにく筆者は同装置キットを持ち合わせておらず1次側の電流値も不明だが、普通に使う分には1 Aも流れないと予想している。
お手元の炭素棒ハンダ付け装置が「いささか強いなぁ」と感じている方は、ダウントランスを試されてはどうだろうか。110 Wで不安ならば330 Wを使えば良い。5.0 Vを4.3 Vに下げるだけでもかなり違う。
2段階接続で苦労した筆者にとって同装置キットを使わないなんて、まさに宝の持ち腐れのように感じる。
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コメント
よいものを教えていただきありがとうございました。これで手持ちのdda40x氏が頒布された炭素棒ハンダ付け装置が、また活用できそうです。早速ポチりました。
ゆうえん様、
多くのモデラーが炭素棒ハンダ付けを活用すれば工作の幅も広がると感じます。
私は融けたハンダに“ぬれない”炭素棒を使うようになってから、ハンダめっきしたパーツ同士を再加熱したり、細かく刻んだ置きハンダを使うようになりました。専ら共晶ハンダです。
http://www.goot.jp/handakanren/se-0st16/
gootのステンレス用(ヤニなし)ですが、どこにも共晶と書かれてないのが残念ですね。
今後ご紹介したいRSU(Resistance Soldering Unit)の動画では、このように述べられていました。
『The RSU does not replace traditional soldering - the two are complementary. If possible, do not put the RSU away but keep it out with your soldering iron.』
(RSUは従来のはんだ付けに取って代わるものではありません。2つは補完的です。 可能であればRSUを片付けないで、はんだごてと一緒に保管してください。)
多くのモデラーが炭素棒ハンダ付けを活用すれば工作の幅も広がると感じます。
私は融けたハンダに“ぬれない”炭素棒を使うようになってから、ハンダめっきしたパーツ同士を再加熱したり、細かく刻んだ置きハンダを使うようになりました。専ら共晶ハンダです。
http://www.goot.jp/handakanren/se-0st16/
gootのステンレス用(ヤニなし)ですが、どこにも共晶と書かれてないのが残念ですね。
今後ご紹介したいRSU(Resistance Soldering Unit)の動画では、このように述べられていました。
『The RSU does not replace traditional soldering - the two are complementary. If possible, do not put the RSU away but keep it out with your soldering iron.』
(RSUは従来のはんだ付けに取って代わるものではありません。2つは補完的です。 可能であればRSUを片付けないで、はんだごてと一緒に保管してください。)
私のdda40x氏の炭素棒ハンダ付け装置にDN103を接続したところ、出力電圧は4.5V,5.0V,5.5Vとなりました。
問題点は、2.0φのシャーペン使用の炭素棒電極が熱くなり過ぎることです。先端とグリップの部分は金属製の製品を使用しないともたないと思います。
問題点は、2.0φのシャーペン使用の炭素棒電極が熱くなり過ぎることです。先端とグリップの部分は金属製の製品を使用しないともたないと思います。
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2021/02/21(日) 15:35:58 | | # [ 編集 ]
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